【mofuラボ】ドラフト採点2026年

2026
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本記事は、2026年のドラフト採点です。

独断と偏見に基づいてますので、読み物として楽しく読んでください

以下は結果になります

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2026年ドラフト総評

今年のドラフトは大学生捕手が特に豊作でドラフト3位迄に4名が指名されたのみならず、近年指名が少なく指名のない年もあった社会人捕手が4名指名された。このことが社会人全体の指名数回復にも繋がっている。大学生、社会人外野手の評価も全体に高かった。また、二遊間の候補は例年に比べ乏しかったものの、内野手指名の大半を占め、一部チームのチーム事情も影響したとはいえ何だかんだ例年通り需要が高かった。
高校生投手の指名は支配下は例年並み、昨年急減した育成の投手指名は回復したものの一昨年程の水準には戻らなかった。また、大学生投手の方が高校生投手より優先される傾向が強まっているように思われる。
実質的に高校生捕手の支配下指名はなく(日大三田中は捕手として扱わないものとする)、育成でも3、4名程(谷渕を捕手と扱うかは議論の余地がある)。順位縛り等もあったのかもしれないが、一昔前の高校生から捕手を育てるというトレンドが衰退したのか来年要確認。来年は東海大相模松崎、滋賀学園島尻、明石商大塚、市立和歌山土井、智弁学園逢坂、蓬莱斎藤、神村学園川本らマークしている高校生捕手が結構いるので、彼らが支配下指名を勝ち取れるか注目したい。
全体に高校生のドラフト指名は冬の時代を迎えており、大学進学志向が高まっていることと卵と鶏の関係にあると思われるが、いずれにせよ、今後ますます大学経由のプロ志望が増加していくように思われる。大学生の支配下指名は、海外大も含めると昨年の40とほぼ同数の39を保ち、高校生の支配下指名も昨年の19とほぼ同数の18である。
独立リーグや2軍球団からの指名の傾向は例年通りに落ち着いたといえよう。三浦や渡邊は中位での指名もありうると思っていたが、結局4位以内の指名はなかった。昨年は支配下指名が僅か2名だったが、今年は5名に回復した。

1位 ソフトバンク 100点

昨年に続き支配下野手の明らかな戦力外候補が少なく、山本祐大をトレードで獲得して他方で先発ローテに不安を残した今季の状況を踏まえれば、特に支配下指名では投手の指名を優先しつつ大学の先発型好投手を左右2名ずつ計4名確保したこれ以上ない指名であり、それ以外にも考えうる補強ポイントは育成指名も含めて網羅した。
1位で指名した鈴木は大学No.1投手であり、よく2球団競合で済んだ。それだけでなく、2位で4年生で調子を落としたとはいえ3年時の活躍は圧巻だった有馬、3位で直近の試合で肩を故障し緊急降板したとはいえ大学選手権準優勝投手の渡辺和という大学屈指の左腕を指名、5位で若干制球に課題があるとはいえ1位クラスの投手である猪俣を獲得。昨年有原が日ハムに移籍し、今年は大関、スチュワートが不振から立ち直れず、大津が日本シリーズ前に手術をする事態を踏まえれば十分過ぎる先発補強だった。
9位指名の佐藤幻は、昨年大学日本代表で活躍したmax159kmリリーフ右腕。MLBを目指し米大学に編入しており、昨年指名した佐々木麟太郎と同様の立場の選手を指名したが、昨年と異なり1位ではなく支配下最終の9位で指名したものであり、昨年佐々木の入団交渉に失敗した反省を生かしたと言えよう。
4位藤森は俊足の中堅手で二塁も守れる。また、7位中川も内外野守れる俊足選手。外野の補強かつ二遊間のバックアップ作りに成功した。支配下の外野手の平均年齢が29歳に達し、センターのレギュラーである周東も30歳となり時折怪我もするようになっていることに対応できたし、二遊間についても庄子に出場機会が移りつつあり、山下、石見ら下の世代も育ちつつあるとはいえバックアップは必要だ。藤森、中川とも代走として早々に一軍ベンチの座を掴む可能性もある。
5位指名の小坪は近年甲子園から遠ざかっている柳川高校の左腕だが、奪三振能力には屈指のものがある。8位深見は台湾の大学に通うmax151km右腕だが、映像を見る限り平均球速は140km前後であり、カーブは鋭いが他に特筆すべき点はなく時間がかかりそうだ。
支配下を9人指名した上に育成指名を史上最多の15巡目まで行った。支配下で即戦力投手中心の指名をした分、素材型投手の指名が多かった。高校球界で有名だった右腕の丹羽、木下だけでなく、甲子園出場はないもののスタミナと奪三振能力に定評のある亀田、故障明けではあるが敦賀気比で下級生時にエーブナンバーを背負った菅田の両左腕は楽しみだ。大学生でも、鶴川内、松林、田本、村山とチームのエースではなくリリーフ中心ではあるが光るもののある投手を指名。特に鶴川内の直球の浮き上がるような勢いは出色で、制球が安定すれば大化けするだろう。さらに、KTウィズの杉本も指名した。徳島インディゴソックスを経てKBOのアジアクォーター枠でリリーフとして活躍している投手で、育成指名で入団してくれるかは怪しいが、仮に入団するなら即戦力級の活躍が期待される。野手でも、リチャードを彷彿とさせ逆方向に長打を打てる長山、東北福祉大学のセンター辻村、二松学舎大付で入学直後からレギュラーに定着したが転校し、現在は独立リーグに所属する神谷、海外の学校に所属する18歳で、体格のよい強打の二塁手根鈴と野手の指名も粒揃い。村雲、平山と高卒捕手も2名獲得した。村雲はU15日本代表経験者、平山はこの夏の甲子園で本塁打を放っている。
先発型の即戦力投手は支配下を中心に、救援型の素材型投手は育成を中心に質量とも十分なものを確保し、育成の中から何人かは一軍戦力になりそうと考えると、先発課題だけでなくオスナ、松本、杉山、津森らの主力救援陣がアラサーとなっていることにも対応できており、今後もNPBを引っ張る巨大戦力を擁し続けることとなるだろう。文句の付け所のない、100点のドラフトだった。

2位 西武 95点

平良、髙橋のポスティング・FAを控える状況を踏まえれば即戦力投手の獲得は急務であり、1位から3位まで川尻、柿本、沢山と大学、社会人のトップクラスの投手を3名獲得した時点でほぼ理想の指名だった。max158km右腕川尻は最終学年になりリリーフだけでなく先発もできる姿を見せ、東都22年ぶりのノーヒットノーランも達成。柿本は休部となるパナソニックのエースとして活躍、都市対抗ではNTT西日本の補強選手としてチームを準優勝に導いた。沢山は今年のWBCでブラジル代表として8回無失点。ブラジル代表でWBCで通用していた投手は彼くらいしかおらず頭一つ抜けた力を発揮していた。社会人野球でもパフォーマンスのムラが少なくなり指名にこぎつけた。
4位田中は日大三の強打者。昨夏の甲子園では2本塁打を記録した。捕手としての起用は難しそうだが、育成3位で沼田商の後藤を獲得しており、本職の高卒捕手は獲得できている。5位の中津は法政大では途中まで遊撃手であったが外野転向し現在は社会人屈指の中堅手。左打ちの社会人外野手の適正指名順位の判断は常に難しいが、この順位で中津を獲得できたのは大成功。
育成1位三浦、2位川島は事前に支配下指名もあるとみていた投手。
三浦は昨年から成績が如実に良化しており、リリーフとはいえ20歳で155km投げられて制球も破綻していない候補はそういない。早期の支配下昇格を期待したい。川島は制球に課題はあるものの、春から投手に専念したばかりであるため伸びしろにも期待。
昨年横田、新井、今岡を指名し横田が早くもファームで打率3割を記録し首位打者となったため、高卒二遊間の優先順位は低かったが、他方で即戦力内野手を一名も指名しなかった点は少し残念だった。遊撃、三塁のopsは低いため、指名漏れした中では鷺宮製作所の島野、JR東日本東北の浦林、JR東日本の杉崎、國學院大赤堀、愛知学院大山田らの指名があってもよかったのではないか。

3位 日本ハム 90点

25歳前後の主力が多く、当面全盛期の続きそうなチーム事情を踏まえれば、やらなければならないことはそんなにないが、やってはいけないことは明らかで、ここ2年指名した浅利、山城、大川の救援専門の大卒投手が期待通りの働きをしないため、少なくとも上位で救援専門の投手を指名しないことが求められた。
他方、可能であれば、チーム失策が多いため堅守の選手を確保したく、センターが本職ではない強打者を度々センターに置く采配を見るに、センターを守れる強打者候補も必要だった。
一昨年が投手ドラフト、昨年は支配下の2位以下は全て野手と偏ったドラフトが続いていたが、今年は投手野手のバランスは取れているものの高卒中心、大学生についても素材型指名となった。
1位菰田は恵まれた体格から投げては150km以上、打っては低反発バットで軽々とスタンドインさせる長打力を持つ。本人が二刀流起用を希望していたというのもあるだろうが、織田がMLB挑戦を表明していたため競合が予想された中一本釣りに成功したのはかなりの加点ポイントだ。2位の牟礼は実力的には高校No.1外野手でありドラフト1位に値するレベルの打力を有し、かつセンターも守れる。週刊誌報道等で素行面の悪い噂も流れており、少なくともカッとしやすい面があるのは事実のようだが、獲得した以上は責任を持って管理し、心身ともに日本を代表する名外野手に育てて欲しい。3位末吉は昨年の選手権優勝投手で、最終学年では肘痛等もあり万全ではなかったが、本来ドラフト1位級の力のある左腕。ただ、既に身体が完成されているようにも思われ伸び代は微妙だ。逆に、5位岡本は強豪校の出身ではなく身体はまだできていないが、フォームに癖がなく伸び代の大きそうな好素材。支配下唯一の大卒指名である加藤はセットになると球威が低下するため少し時間がかかるように思うが、4位での指名なら妥当。
育成1位の岡田は大阪工大で長打力を発揮していた外野手で、育成4位の小島は一塁専だが2025大学選手権2本塁打、3年秋4本塁打と長打力は屈指のものがある。育成5位今津は、二塁守備はともかく、一定の打力のある外野手として評価したとしても悪くない指名。いずれも支配下指名を予想していた強打者である。育成3位半杭は怪我を期にウェイトトレーニングを重ね長打力もつけた高卒遊撃手。このように育成指名では打力のある選手の指名が目立った。また、育成2位の藤井は197cmの高身長が魅力の好投手。強豪校の出身ではなく諸々完成されていない面は多いが、達や福島のような完成形が思い描ける楽しみな存在だ。
支配下指名は高校生が目立ったものの、育成で一年目の支配下昇格も有りそうな大学生野手が3人確保できており、大学生救援専門投手の獲得に支配下上位枠を使う愚行も犯さなかった。他方で、野手陣は守備より打撃に持ち味のあるタイプの指名が相次ぎ、好守の選手が欲しいという需要までは満たしきれなかった。

4位 阪神 85点

坂本、伏見、梅野の主力捕手が高齢化し、栄枝、藤田らそれより若い捕手が伸びず、嶋村は捕手能力、町田は打撃に課題を呈している状態で、支配下での捕手補強は喫緊の課題だった。二遊間もレギュラーが固定できずディベイニーも不発。ヤクルト戦力外を経て入団した元山がレギュラー格になる有様。
そのため1位指名は大学No.1捕手渡部が有力視されたものの、蓋を開けてみれば今ドラフトNo.1外野手の榊原を単独指名。東京六大学で通算12本塁打を放っているが本質的には中距離打者。気付きを打席後に毎回メモしているのも好感。岡城、井坪を一気に追い抜いて近本の後継者候補筆頭に躍り出るだろう。
二遊間に関しては4位で相羽を指名。高卒社会人6年目、過去3度の指名漏れ、今季は打撃の調子を崩していただけに指名はもう厳しいと思われていたし、正直今年の状態を見る限り彼を指名するのなら西武の項で述べた島野や浦林を推したいのだが、指名した以上1年目からレギュラー争いする活躍を期待したい。
2位馬場、3位常深は左右の先発型投手。共に制球が安定しており、馬場は右打者への投球が優れており、常深は球威はそれほどでもないが実戦的だ。5位的場も先発型の好投手だが、制球が持ち味な反面大卒右投手としては球速が物足りなく、高校生の指名が支配下、育成通じて皆無だったことを思えば、浦和学院内藤、海星の宮本、仙台育英の田山、常葉大菊川の佐藤、耐久の野崎、上田西の内藤等ここで指名しても良さそうな高校生候補はポジション問わず居たように思う。仮に大卒右投手を指名するにしても、東北福祉大学の猪俣の方が良かったように思うのだが…。
結局捕手指名は6位の越川まで待たねばならなかった。直前に候補として浮上したようだが、ドラフト全体の傾向として近年社会人捕手の指名は少なく、今年もヤマハの清水や日本新薬の笹原くらいしかマークしていなかったのが正直なところである。越川は強肩捕手ではあるが、大学4年時は春秋とも打率1割台と打撃に課題があった。社会人になり打撃には進境が見られたことが指名につながったと見る。7位、育成1位、育成2位と立て続けに徳島インディゴソックスの投手を指名した。7位の石井は奪三振能力の優れたリリーバー。他方育成の山下、荒木は先発の柱で、特に山下は奪三振率も屈指のものがあるため支配下指名も予想していたが、育成で指名できたのは意外だった。なお、荒木は先発時のスタミナに課題があり、NPBではリリーフ起用が良さそうだ。
全体によい指名だったとは思うものの、高卒指名ゼロはさすがに極端すぎる。リーグ優勝を続けているチームとしては左打ちの高卒内野を中心に将来を見据えた指名が少しはあってもよかったと思う。戸井や山田がものにならなかったことで方針を転換したのかもしれないが、プロスペクトの指名から逃げてはいけない。

5位タイ 楽天 80点

即戦力先発投手を3人獲得するなど近年投手を積極的に指名しているにも関わらずチーム防御率の改善に繋がらず、支配下の捕手数不足を補うため昨年捕手を2名(支配下1育成1)指名したが、今季も先発ローテーションを岸、前田健太のベテランに依存し、チーム防御率は改善しなかった。また、正捕手の太田はFA権を取得し行使を検討している。
昨年は非常に良い指名だったが、一度にチームの全ての穴を埋めるような指名はできないとしても、昨年ほど尽くせる手は尽くしたとは言えないように映った。
1位で大卒No.1捕手渡部を競合の末獲得。開幕から正捕手を任せることもできそうだ。4位で社会人捕手の萩原も獲得。小力はあるが、守備型の捕手であるため、正捕手に代打を出した後の交代要員等としての役割が想定される。
投手の補強は3位樋口、6位渡邉都、育成3位の金の3左腕。樋口はアジア大会でKBO組で構成される韓国代表打線を抑え込んだ社会人No.1左腕。渡邉は昨年指名漏れした高知ファイティングドッグスの左腕だが、制球力の向上が指名につながった。どちらも開幕ローテ入りが期待される。金は奪三振能力に優れるが、投球回の半分を超える与四死球が課題で、当分時間がかかりそうだ。
浅村や黒川が物足りなかった内野陣の補強は必要だが、2位岡田、5位高とも俊足巧打型の選手。チーム内で出場機会を減らしつつある小深田と似たようなタイプであり、特に岡田の2位指名は元巨人重信の2位指名やヤクルト丸山の2位指名と似たものを感じる。楽天は2位指名を最初に行えるので、レギュラーというよりはベンチにいると便利なタイプの選手を2位で取りに行くのは勿体なかったと思う。5位高は今季のファーム盗塁王だが、打率は2割半ばで、正直こちらもバックアップ要員が関の山のように思うが…。
いずれにせよ、捕手、左腕、二遊間とも似た年齢の選手を複数獲得して競わせたいという狙いを感じた。
育成1位の根本は身体能力が注目される外野手で、育成2位徳島インディゴソックスの藤原は打力はともかく代走としてすぐに芽を出しそう。現広島の辰見のような選手である。育成4位寺井は当たれば飛ぶ高卒3年目だが、確実性を上げないとNPBでは通用しないだろう。

5位タイ 広島 80点

ゾンビタバコ騒動で支配下の二遊間が4名消えた状況で、正直難しいドラフトだった。二遊間の層が薄い今ドラフトにおいて二遊間の指名を優先せざるを得ない上、事前評価の低い選手を繰り上げざるを得ない事情もあったかもしれず、全体としては及第点だったといえる。
最大の焦点にならざるを得なくなった二遊間の選手を4名指名した。1位山里は今ドラフトのNo.1二遊間と思われるものの、それにしても本来は3位程度が適正順位と思われる。私(もふ)以外に山里を1位指名と予想したリストを事前公開した媒体(ドラフト番付等)は確認する限り見当たらない。例年であれば大きな減点要素となる指名だが、チーム事情を鑑みればやむを得ない。神戸国際大付高時代から守備には定評があったが、大学で長打力を増した。もっとも、無理に強振して引っ張ることで確実性が損なわれているように思われ、生粋の長距離砲では無いだけにNPBでは打撃アプローチを変える必要があるだろう。
5位光弘も履正社高時代から有名な遊撃手。山里を二塁に回して彼と二遊間を組む未来もあるかもしれない。育成1位車谷は守備は上手いが失策が多い独立リーグの遊撃手。育成3位皆吉は二塁をメインとするが、遊撃三塁センターとユーティリティ性もある。ただし、大学3年春に打率.353を記録して以降2割前後の打率が続いており、NPBレベルになる迄には時間がかかりそうだ。
坂倉のFAを見据えてか捕手を2名指名した。2位西野は渡部、前嶋、福原と粒揃いの大学生捕手の中でも打撃の確実性のあるタイプで、育成2位田代は筑波大の正捕手だが育成で指名できるのかと驚いた。
二遊間及び捕手の指名は概ね満足いくものだったが、投手の指名は疑問だ。4位吉川は制球に課題があり、max156kmの触れ込みほど平均球速は速くないが、この順位なら適正だろう。問題は3位野原と6位森である。3位野原は下級生時は素晴らしかったが4年生春秋とも関西六大学で防御率4点台と不振。指名漏れを予想していただけに不可解な指名だった。6位森は高卒3年目の社会人投手。徳島商高時代には絶対的エースとしてチームを甲子園に導いたが、社会人では制球に課題が残りリリーフ中心の起用である。Honda磯貝はトミージョン明けで厳しい順位縛りがあったのかもしれないので指名できないとしても、社会人リリーフならエイジェック谷内、セガサミー樫村、日本製鉄瀬戸内下堂、日本新薬奥村等いくらでも他に候補はあったと思う。
なお、高校生を指名しなかったのはチーム事情に照らしてやむを得なかっただろう。

5位タイ 中日 80点

1位入札した渡部を外したものの、外れ1位の宮原の交渉権を獲得。近畿の右腕ではNo.1の安定感を誇るmax157kmの剛腕で、開幕ローテ入りも期待したい。なお、捕手については3位で前嶋、6位で清水を獲得したので結果的に渡部を外したダメージは皆無。他方で、前嶋に加えて清水まで指名したのは若干不可解。DH制導入を見据えて清水の強打を生かすためにDH起用なんてこともあるのだろうか?
結局支配下の即戦力投手が宮原だけでよかったかは疑問で、6位清水のところで即戦力リリーフを指名するべきだったように思う。具体的な候補は広島の項を参照。
また、仮に捕手を複数獲得するのなら、片方は高卒捕手にした方が年齢バランスも良いのではなかろうか。育成指名で良いので高卒捕手は欲しかったところ。
2位柴崎の指名は正直早すぎたように思う。チームの外野opsは低いし、ブライトも鬱病で引退を余儀なくされたが、ルーキー花田筆頭にプロスペクトが居ないではない。昨年の柴崎のパフォーマンスは2位も十分あり得るものだったが、今年は不調。追い込まれてからの対応も課題だ。外野手はもう一人指名しており、育成2位中西は大阪桐蔭のセンターのレギュラーで俊足。
4位鈴木は甲子園のパフォーマンスが正直良かったとは言い難い投手としてではなく遊撃手としての起用を念頭に指名したようだ。毎年のように指名してきた即戦力系二遊間を今年も重ねたら流石に愚かだが、高卒なら年齢構成的に問題ないだろう。これが今ドラフトで内野手唯一の指名となる。5位の左腕西田、育成1位の右腕内藤は甲子園経験こそないが、高校年代では屈指の好投手。

8位 ロッテ 75点

1位米沢は4年春に絶好調でチームを大学選手権優勝に導いたが、秋はピリッとせず。とはいえ、鈴木、宮原と即戦力投手2枚のくじ引きに敗れた中でまだ米沢が残っていたのは運が良かったと言える。さらに、3位では即戦力リリーフとしてENEOSの長屋を獲得した。ただ、先発防御率が12球団ワーストであることと小島のFAを念頭に、即戦力先発をもう一人指名できればなおよかった。
さらに、2位で高岡第一高のmax156km左腕前田、5位で190cmの長身右腕新城を獲得。育成2位では、max148kmの速球を持ちながら花巻東高では登板機会が少なかった佐々木を指名し、スケールの大きな高校生投手の獲得に成功した。
4位黒田は九州国際大付高時代も有名だったが4年前は指名漏れ。大学日本代表の外野手に成長した。なお、オプションとして三塁も守れる。6位田中は日南学園ではエースナンバーを背負ったが、打撃センスのほうがむしろ目立つ外野手。長打があるタイプというよりは巧打型なので、できれば守備走塁面など他の能力も向上させていきたい。
育成1位若藤、育成3位内田と高卒遊撃手を2名指名した。若藤は下級生時から3大会連続の甲子園を経験。内田は甲子園の経験がなく、今夏は怪我で代打のみでの出場となったが、ポテンシャルを高く評価された。
外野は十分強みとなっている一方で、年齢的な観点からは佐藤がいつまで捕手を務められるか気になるし、寺地がコンバートされ、松川が伸び悩んでいるため、大卒捕手が豊作な今年は外野の指名分を捕手に回して指名しておくべきだったようにも思う。また、二遊間は好守の選手が多いものの、打力に乏しいため、競争相手となる即戦力を獲得しても良かったかもしれない。もっとも、今年は各カテゴリの二遊間が軒並み不作で、育成で高卒遊撃手を2名指名するにとどめた判断は尊重できる。

9位タイ DeNA 70点

外国人が居なくなると途端に貧弱になる先発ローテは、大貫の不振、入江の先発転向失敗で今年も火の車。ルーキー片山はある程度目処が立ったが、故障歴の多い投手のためフル稼働はさせにくい。そのため、1位星野、4位小金井、5位木口と先発型の大学生投手を3名指名した事自体は良いが、もう少し強気の姿勢を持ち、指名順を工夫すればもっと良い指名が出来たように思う。昨年佐々木を強行指名したのはやり過ぎだが、堅実さに振れすぎるのも良くない。中庸の姿勢が大切である。
1位星野はやや弱気な印象は否めない。関西六大学での通算防御率が0点台の実績は高く評価しているが、肘の動き出しが急なフォームであり、これは打者のタイミングを外すうえで有用だが、故障しそうで怖い。実際3年時に故障して離脱している。4位小金井は長身のサイドで面白く、5位木口も上武大の絶対的エースとして君臨したが、後述する3位杉本の時点で樋口を指名したかった。
2位保西、3位杉本寛斎は二刀流選手だが、それぞれ内野手、外野手としての獲得。保西は投打に規格外のパワーを有し、シーズン中にトレードで加入した井上朋と共に次世代の三塁手として育てていきたい。3位杉本はmax158kmを誇るが投球回を上回る与四死球数と制球が破綻しており、強肩を生かし外野手として活躍してほしい。もっとも、海外大に所属する隠し球的候補として興味深い存在ではあったものの、調査書数は3、4球団程度であったと報じられており、3位の枠を使って指名するのは高掴みだと思う。私の事前予想では育成指名を予想していた選手であり、指名するとしても支配下下位でやるべきで、ここで社会人No.1左腕樋口を指名しておくべきだったのは前述のとおり。
ただ、私は昨年の5位指名成瀬を酷評していたが、今季特に宮下の故障後の成瀬の活躍は出色で、CSでの本塁打も印象に残った。成瀬選手にはこの場を借りてお詫びしたく、杉本選手にも来年謝罪する用意をしながら活躍を期待したい。
6位神里はENEOSの捕手で、DeNAに所属している外野手神里の弟である。東海大相模高、國學院大と正捕手として活躍し続けてきたが、ENEOSでは有馬に次ぐ2番手捕手の立場。社会人野球のレベルがそれだけ高いことの証左でもあるが、所属チームで正捕手でない選手を支配下指名するのは正直解せない。まあ、DeNAの前正捕手の山本祐大も京都翔英高時代は現楽天の石原の控え捕手兼外野手ではあったのだが…。
7位坂口は外野手と表記されているが、外野手というより三塁手で考えていた。いずれにしても社会人屈指の長打力を誇る打者であり、事前報道はあまり無かったが、指名予想に入れておいて良かったと思う。
年齢構成的に高校生捕手及び外野手の指名があってもよかったと思うが、12球団で唯一育成ドラフトに参加しなかったこともあり指名できなかった。今のNPBの環境を踏まえると育成ドラフトに参加しないのは大きな損失であり、今年育成指名された面々も面白い選手が沢山いる。育成ドラフトに参加できなかった理由があるのかもしれないし、特に高校生捕手については支配下縛りがあった候補も多かった可能性もあるが、一定の減点とせざるを得なかった。

9位タイ オリックス 70点

故障者が相次ぎ、35歳の九里、外国人エスピノーザ、ジェリーに依存する先発ローテは苦しく、今季は時折見るに堪えないブルペンデーも散見されただけに、上位で高校生を指名する例年の傾向をかなぐり捨てて即戦力投手の指名に動いた。1位角田、2位仲井は大学球界屈指の右投手であり、角田は制球面を、仲井はmax158kmを計測した球場がスピードガンの数値が出やすい球場であることをそれぞれ割り引く必要はあるものの、理想的な指名だったと言える。さらに5位で野村を指名し右投手の補強は盤石だろう。さらに、4位ではmax152kmの高校生右腕近藤を指名した。育成1位の黒川もmax148kmを誇り完投できるスタミナに定評がある。他方、育成指名を通じても、6位千葉以外に左腕の指名がなかった。左腕の投球イニングが12球団最少であり、宮城はTJ手術で今季不在、曽谷もTJ手術で来季不在が確定しているだけに、左右のバランスを考慮した指名があってもよかったと思う。なお、この点は昨年も指摘している。
右打ちの外野手が不足しており、頓宮が復帰の前例のない手術に挑み、杉本が今季0本塁打に終わったことからも、長打力のある右の強打者春山を3位で指名できたのは大きい。ただ、支配下6名のうち5名が投手というのは少しバランスを欠き、打力の補強が不足している。
育成2位と3位で捕手を指名した。井尻は2年生時から仙台大の正捕手。打撃が課題だが少しずつ向上している。吉田は栃木ゴールデンブレーブスで打撃が開眼した捕手だが、今年は一塁手としての出場が中心。
捕手登録の選手は多いが捕手として起用されている選手が少ないオリックスにおいて捕手の頭数を増やす必要があり、良い指名だったと思う。
支配下の二遊間の指名がなかった。今年は二遊間の候補が各カテゴリで不作であり、やむにやまれぬ事情で広島が二遊間を大量指名した影響もあっただろうが、昨年のドラフト時にも挙げた課題であり、西野の引退で状況はより深刻になっているだけに、無策に過ぎたのではないか。社会人二遊間には結構候補が残っていたように思うし、これまで数多くの社会人選手を下位で指名してきたオリックスならやりようはあったはず。育成4位で指名した河田ハウエルエバン盛児は身体能力が高く、4年秋に遊撃レギュラーを獲得。面白い素材だが手打ち気味の打撃スタイルには改善の余地あり。育成5位の若藤はロッテ育成1位の若藤の兄である。弟程の注目は集めておらず意外な指名だったが、50m5秒7を誇る俊足に加え内外野を守れるユーティリティ性がある。育成6位菅原は鮮ど市場の強打の外野手。今秋の日本選手権九州地区予選には熊本ゴールデンラークスの主力として出場していたが、社会人3年目を終えて引退し鮮ど市場での業務に専念していた。ゴールデンラークスはJABAに加入する社会人野球チームであり、そこの所属選手を育成指名することはできないが、引退後ならそうではない。しかし、今回の指名がそうとは言わないが、このような育成指名は制度の抜け穴的なもので宜しくないのではないか。事前に話をつけておいてドラフト直前に引退させるということもできてしまうわけで、改めてドラフトの指名ルールの在り方を検討する必要があると考える。

11位 巨人 65点

各選手について語る前に、1位織田の強行指名と育成5位で中学生関を指名したことの2点に触れなければならない。
max157kmの高校No.1右腕織田は、ドラフト前に記者会見まで開いてMLB挑戦を表明。巨人の強行指名後も意志は変わらないとのことではあったが、巨人は3位で横浜高の遊撃手池田を指名、MLBとの人脈を持つ松井秀喜を新監督に迎え、織田の説得に向けて打てる手を打って大勝負に出たものとみられる。賛否両論有るだろうが、昨年のソフトバンクの1位佐々木強行指名に比べて用意周到に計画された強行指名と思われるため、強行指名自体を大きな減点要素としたわけではない。
問題は、育成5位で中学生を指名したことである。関捕手はU15日本代表で正捕手として4番を打ち2本塁打を放った。世代No.1捕手であり、将来どのような選手になるか楽しみだが、U15日本代表の全てがその後の野球人生で大成するとは限らない。捕手に限定しても、2年連続でU15に選出された福原ですら今回のドラフトで3位指名、村雲は育成指名である。彼らは成功した部類であり、実際には高校でレギュラーになれない者もいる。このように、中学生時点ではどんな逸材であっても将来は読み切れない。今回の指名をJリーグのユース制度に喩える人もいるが、Jリーグのユースが高校サッカー部と戦える大会も存在し、ユースから高校や大学のサッカー部に転出することもできるのに対し、NPBと契約した者は生涯に渡り高校、大学の野球部に所属することもできず、同年代の学生と実戦経験を積むこともできない。どんな名選手であっても、少なくとも高校時代は高校生と対戦してステップアップしていった訳で、一足飛びの育成は寧ろ彼の実戦経験を減らすことに繋がりかねない。また、仮にNPBで成功できずチームを去ることになった時、学生球界に復帰することはできず、社会人野球か独立リーグ以外の道は断たれてしまう。
わが国のアマチュア球界は世界屈指の裾野の広さを誇り、年齢やレベルに応じて高校野球や大学野球を経験することは決して無駄でも遠回りでもない。巨人としても、育成で保有権を維持できるのは3年までで、以降は毎回自由契約になるのだから、高校卒業時点で支配下登録しなければ他球団が契約することも可能であり、囲い込みとしてもあまり意味を成していない。関捕手本人にとっても巨人にとってもデメリットに比べメリットの乏しい指名であり、巨人には近視眼的な指名に走らず3年後まで指名を待ち、仮に他球団に行ってもそれはそれで野球人として応援するくらいの節度と度量の広さを見せて欲しかった。
2位平田はmax152kmを誇る。高校ではリリーフ中心の起用だったが、今夏の甲子園では先発投手並みのイニングをロングリリーフで連日投げていたためスタミナに不安はない。4位杉本は1年夏から甲子園で先発した今春の甲子園準優勝左腕。4位でよく指名できたと思う。1位指名を織田に使いながらも高校屈指の右腕と左腕を獲得できたことは高く評価したい。
冒頭では織田のバーター指名のように触れてしまったが、3位池田は高校No.1遊撃手との声も高く、U15U18を両方経験した。投手としてもmax150kmを超える強肩を誇るが、プロで通用する為には打撃の力強さが求められる。その他の高校生野手は全て育成指名。育成1位、育成2位で大阪桐蔭の谷渕、宇部工の柳井の2人の左打ち三塁手を獲得した。共に強打者であるが、谷渕は中学以来の捕手に挑戦するとのこと。育成3位の嶋は元広島・西武の嶋重宣の親戚であり、大きな身体だが俊足の外野手。
上位4位は全て高校生の指名となったが、5位で中央大の長距離砲伊藤を指名したことで全体が締まった。三塁opsが12球団最低とポスト岡本に苦しんでいるが、これをすぐに解消できないとしても、石塚やリチャードのよい競争相手になるだろう。6位の松平は高校時代から注目を集めていたアンダースロー。高橋礼程の球速はなく、奪三振率も低いものの、1年目から対戦相手を幻惑して欲しい。
育成4位の松田は内野手と発表されたが、実際にはクラブチームでセンター中心に守る25歳。年齢的にも1年目から勝負することが求められるだろう。

12位 ヤクルト 55点

昨年1位2位を野手で占めたが、今年は1位から4位までを野手で占めた。昨年村上の後継者候補として松下、松川を指名したことは良いのだが、今年は例年通り投手を重点的に指名するべきだったように思う。青木宣親GMは1位から4位まで野手を指名したことについて「野手に振り切っていい年だと思っていた」「もともと投手は多いので」とコメントしたようだが、山野と奥川以外の先発が苦しいチーム事情を踏まえられていない。投手の数がただ多いことと一軍戦力となる投手が十分なことはイコールではない。勿論、長打を打てる選手は引き続き必要なので、1位藤澤、2位佐藤悠の狙いは分からなくもないが、共にやや高掴みの感があるし、少なくとも3位以降は投手の指名に切り替えるべきではなかったか。
1位藤澤は社会人外野手の中でも飛び抜けた打力を持つが、打撃フォームがかなり独特で、速球に対して振り遅れたライト方向へのファウルが多い。昨今高速化の進むNPBの速球に対応できるフォームではないと考える。守備面でも、NPBでセンターを守れるか怪しい。2位佐藤悠はパワーはあるものの確実性を欠き、大学3年時より成績を落としていた。守備もお世辞にもNPBレベルで通用するとは言えない。両翼が精々で、場合によってはDHだろう。青木GMは「守れて長打も打てる、コンタクトもしっかりできる1位、2位の子をね」と説明しているが、リップサービス込みとしても、佐藤悠の評価に誤りがあると思う。
3位福原は2年連続でU15日本代表に選出された捕手で、明治大では小島がいたことで4年時のみ正捕手であったが、打撃のうまさは屈指。身長が低い分長打力には限界があるだろうが、野球センスが高く大外れのない指名。
4位高田は中央球界では無名だが九州を代表する高校生遊撃手。今夏打撃の向上も見られた。
5位でようやく指名した投手が茨城アストロプラネッツの川平なのは驚いた。独立リーグの投手の中でも最初の指名であることも含めて驚きで、max154kmを誇るとはいえ制球に課題があり、即戦力とは言い難い。柴田や飯田が即戦力としてモノになったのか振り返ってみてほしい。6位石澤はmax148kmで先発も救援も可能な左腕だが、既に25歳で即戦力性が求められる。どうにも突き抜けたものがなく一軍では厳しい印象。7位渡邊がここで残っていたのは驚いたが、独立リーグ史上No.1の遊撃守備を誇る遊撃手と言って差し支えない素晴らしい守備の持ち主。打力が課題だが、できればスイッチヒッターではなく片方に専念したほうがよいだろう。
育成1位西野は四国アイランドリーグでリーグ2位の42盗塁を記録した俊足の遊撃手。24歳のため早期の支配下昇格が求められる。ただ、身長が160cm台で四国アイランドリーグですら打率が2割台半ばのため、年齢、体格、守備、打撃全てにおいて渡邊の下位互換と評価せざるを得ない。育成2位髙橋は創価のmax141km投手。一年目身体作りから。育成3位尾崎は法政大、セガサミーを通じて良い時と悪い時の差が激しいが、育成指名なら妥当。セガサミー廃部により育成指名が可能になったことを上手くついた指名だった。

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